米国での生活上の注意事項

     在ナッシュビル日本国総領事館
 
 日本では日常生活の中で当たり前のこととして行っている行為が,米国内では各種法律あるいは条令等に抵触する行為と見なされ処罰されることがありますので,米国で生活を営む上で,その社会制度,生活慣習及び法体系を良く知り,日本との違いを十分理解しておくことが重要です。
 以下に法令・文化の相違から生じたトラブル等を紹介しますので,安全で安心なアメリカ生活を過ごすための参考にしてください。
 

I 子供をめぐるトラブル

<児童虐待>
 某日,小学生の子供を連れた邦人女性が近くのスーパーに買い物に行った。子供が,商品を買ってほしいと言ってねだるので,母親が子供の頭を小突いて叱った。
 
→他の買い物客が目撃して警察に通報したため,児童虐待容疑で母親が州政府の児童保護局(テネシー州ではDCS:Department of Children’s Serviceと呼ばれる)の取調べを受けた。
 
<児童虐待>
 某日,幼稚園に通う少女が,父親と一緒にお風呂に入るのがいやだと幼稚園の作文に書いた。
 
→幼稚園の先生が,児童虐待(性的暴力)容疑者として父親を州政府の児童保護局に通報し,調査活動が行われた。
 
<児童虐待>
 某日,小学生の男子が悪ふざけをしたので父親が注意したら,少年は近くの木に登ったので,父親が少年に対して下りてくるように怒鳴った。
    
→近所の住民が警察に通報し,父親が児童虐待(心理的威圧)容疑で勾留された。
   
<児童虐待>
 某日,乳児をお風呂に入れている写真を近所のドラッグストアで現像に出した。
   
→ドラッグストアが児童に対する虐待容疑で児童保護局に通報し,児童虐待(性的虐待)容疑で調査活動が行われた。
 
<児童虐待>
 某日,邦人女性が5歳前後の息子と一緒に外出するため準備していたが,先に準備を済ませた息子が外に出たいと言ったので,先に息子だけを戸外に出させ,待っているように言った。息子は外に出された理由を母親に叱られたものと勘違いし,玄関は施錠されていたため,泣きながらベランダに回り,室内に入れてもらおうと窓を叩いたり,蹴ったりした。このため,慌てて邦人女性が息子を家の中に入れた。
    
→児童虐待をしていたと近隣住民が勘違いし,警察に通報し,警察官が駆けつけた。警察官に事情を説明したが,児童虐待と判断され,裁判所への出頭命令書が手交された。
 
<児童放置>
 某日,日本人の女性が2歳の子供を連れて車でスーパーに買い物に行った際,食料品2品のみを買うだけなので車の中に子供を残して,約10分,車から離れた。
 
→通行人女性が警察に通報し,児童放置容疑で邦人女性が警察の取調べを受けた。
 
<児童放置>
 某日,母親が7歳の子供を連れて大型スーパーに買い物に行き,車に戻った際にその店に忘れ物をしたことに気づき,子供を車内に残したまま車から離れた。
  
→通行人女性が警察に通報し,児童放置容疑で母親が警察の取調べを受けたほか,子供が1ヶ月間,指定の里親に預けられ,親との面会も制限された。
 
<誤解によるトラブル>
 某日,幼児がいる邦人夫婦が米国人ベビーシッターを雇って,夜,会食に出かけた。
 
→ベビーシッターが,乳児のおむつを替える際にお尻の蒙古班を見つけて,児童虐待と勘違いし,州の児童保護局に通報したため,子供が収容されそうになった。
 
<子の親権に関するトラブル>
 某日,アメリカ人の夫と別居中,あるいは離婚した日本人女性が夫の同意を得ずに子供を連れて日本に帰国した。
 
→実子誘拐罪としてアメリカ人夫から警察に訴えられた。
【解説】
(1)近年,日本人と外国人との国際結婚の件数は増加しており,日米間の国際結婚の件数も例外なく増加しております。当館に提出される国際結婚の届出,日米間の夫妻の間に誕生した子供の出生届の件数も増加しております。その一方で,離婚し,米国の裁判所の親権等に関する設定が決定されたにも関わらず,日本人の配偶者がこの裁判所の決定を無視して,日本に帰国してしまい問題になるケースも発生しています。離婚後の子供の親権をどう設定するのか,特に将来にわたって子どもの養育と監護をどちらが行うのか,一方の親が自分の国に子供を連れ帰った場合どのように取り扱うのかと言った問題はいわゆるハーグ条約が規定していますが,日本はこの条約を締結し,2014年4月1日から発効しました。
(2)米国における子供を連れての移動については次の点に留意して下さい。
ア.実子誘拐罪の適用
米国の国内法では,父母のいずれもが親権または監護権を有する場合に,または,離婚後も子どもの親権を共同で保有する場合,一方の親が他方の親の同意を得ずに子供を同行する行為は,重大な犯罪(実子誘拐罪)と規定されます。(例えば,米国に居住する日本人の親が,他方の親の同意を得ないで子供を日本に一方的に連れて帰ると,たとえ親権を有する親であっても米国の法律に抵触することとなり,米国に再入国した際,犯罪被疑者として身柄を拘束される場合があり,実際に逮捕される事案も発生しています。)国際結婚した後に生まれた子どもを日本に連れて帰る際には,こうした事情にも注意する必要があります。
(注) ○ 米国: 16 歳未満の子の連れ去りの場合,罰金若しくは 3 年以下の禁固刑又はその併科を規定(連邦法Title 18 Chapter 55 Section 1204 )。州法により別の規則がある場合もある。
イ. 未成年の子どもの旅券申請
日本の在外公館では,未成年の旅券の申請を受ける場合,両親のいずれか一方に旅券申請書の「決定代理人署名」欄に署名していただくことになっておりますが,それは,通常一方の親の署名をもって,もう一方の親も子供の旅券の発給申請に同意していると推定されるからです。しかしながら,親権者である片方の親から旅券発給に同意しない旨の意思表示がなされた場合には,そのような推定は働かず,有効な両親の同意が存在しないことになるので,その子供への旅券発給はできないことになります。したがって,両親のいずれかから旅券発給について不同意の意思表示がなされた場合にあっては,旅券発給に反対する親がその子供の親権者であるかどうか,すなわち,子供の旅券発給にその親の同意が必要か否かを確認し,親権者であることが確認されたときは,さらに両親の意向を確認し,旅券を発給するかどうか決定することになります。そのような意向確認が必要となる場合には,基本的に,旅券申請の際にもう一方の親が作成した「旅券申請同意書」(形式自由)を用意いただくこととなりますので,ご注意ください。
(3)家庭問題に関する相談はお早めに関係団体・機関へご相談下さい。
日本人の親の中には,外国人配偶者との意思疎通の困難性や価値観の相違によるストレス並びに孤立感,家庭内暴力等による精神的ダメージと暴力から逃避しようという焦燥感等により,冷静な判断が出来ないまま,子供を連れてとにかく日本に一刻も早く帰国しようと思われる方も少なくないと思います。しかしながら,上記のとおり,そのような行動が後刻,米国の法制度の規定により,多くの問題を惹起させてしまう可能性があります。当地には,家庭生活問題あるいは家庭内暴力に対する対応を行っている団体及び機関が存在し,日本語対応可能な機関もあります。御自身の大切なお子さんは,相手の方の大切なお子さんでもあります。問題の兆候が見え始めたら,下記のリンクも参考にして,早期に各種団体・機関にご相談されることをお勧めいたします

○アーカンソー州 (DHS:Arkansas Department of Human Services)
  http://www.arkansas.gov/dhs/homepage.html
 
○ケン夕ッキー州 (CHFS:Kentucky Cabinet For Hea1th And Family Services)
  http://chfs.ky.gov/
        
○テネシー州(DCS:Department of Children’s Services)
  http://tn.gov/youth/
 
○ミシシッピ州(MDHS:Mississippi Department of Human Services)
  http://www.mdhs.state.ms.us/
 
○ルイジアナ州(DSS:Department of Social Services)
  http://www.dss.state.la.us
 
○当館関連HP
  http://www.nashville.us.emb-japan.go.jp/itpr_ja/shinken_mondai.html
 

II 車の交通違反

<飲酒運転>
某日夜,邦人男性が飲酒した後,翌日早朝まで知人とマージャンをし,酔いが覚めたと思い,車を運転した。
 
→蛇行運転を行ったとしてパトカーに止められ,酒酔い運転で逮捕された。
【解説】
飲酒運転は日本だけでなく,アメリカでも犯罪と見なされます。
テネシー州では,血液中のアルコール濃度が0.08%以上の場合,酒酔い運転(DUI)として逮捕・勾留されます。そして高額の罰金が課されるほか,免許取消し処分を受けます。また,車両が一時的に没収される可能性もあります。少し位なら飲んでも大丈夫という安易な考えはやめましょう。
 
<容器を開封した酒類の車中での所持・消費違反>
米国を旅行中の邦人がレストランで飲みきれなかった酒のボトルを車両内に置いたままにしておいた。
 
→翌日,交通事故に遭遇した際,事故を取り扱った警察官に封が開いた酒の容器を所持していたとして検挙された。
 【解説】
米国においては,一部の地域を除き公道など公共の場所での飲酒が違反となることは広く知られています。また,酒類の販売・所持を禁止する郡(ドライ・カウンティ)も存在します。
酒類の所持に関し,米国の多くの州では,容器を開封した酒類を自動車内で所持・消費することを軽犯罪や交通違反として取り締まっています。各州で取り締まり規定が異なる他,郡単位で条例を制定している地域も多数あります。また,州に条例がない場合でも,郡が独自に条例を制定している場合もあります。また,法律を同乗者全員に適用する州がある一方で,運転者のみに適用する州もあります。
自動車での移動が多い米国においてはいくつかの州,郡を通過することは日常のことですが,上述のとおり,州,郡などにより条例はまちまちですので,軽犯罪や違反として扱われないためにも,車内には容器を開封した酒類を所持しないようご留意下さい。
 
<警察官からの停止命令違反>
某日の朝,邦人女性が子供を現地校に車で送っていく途中,交通違反をしたため,後方のパトカーが警告灯を点灯したが,サイレンが鳴らなかったので自分が違反したことに気づかず,そのまま約2マイル走行した。すると,パトカーに強引に停止させられ,警察官はひどく怒った様子であったが,その日,交通切符は渡されなかった。
 
→後日,裁判所から出頭命令書が届き,裁判が行われることになった。弁護士が裁判所で事情を説明したところ,「逃走した罪」を「一般交通に迷惑をかけた罪」に訂正してもらえたが,罰金150ドルが課せられたほか,弁護士料や裁判手数料等もかかり,支払額は合わせて数百ドルにもなった。
【解説】
アメリカで,パトカーが警告灯(青色もしくは青色と赤色灯)を点滅させて,あなたの後方についたら,「道路脇に停車しなさい」という意味です。日本とは違ってアメリカのパトカーは,違反車両を停止させる際にサイレンを鳴らさずに警告灯をつけたまま追走することが多いので,後方にパトカーがついた際はパトカーの動向に注意する必要があります。後方についたパトカーが警告灯を付けたら速やかに道路右端に寄って止まりましょう。
パトカーに停車を命じられたら,警察官があなたのところに来るまで,じっと待っていなければなりません。警察官がなかなかパトカーから降りて来ないからといって,車から降りて自分からパトカーに近づいていったり,その場から走り去ってはいけません。
停車したら,自分が武器等を持っていないことが示せるように,両手をハンドルの上に置いて待ちましょう。また,道路を走行中,パトカーや救急車及び消防車等の緊急車両が近づいてきたら,前方及び後方のいずれの方向から接近して来る場合でも,緊急車両が通り過ぎるまでの間,道路の右側に寄って停車しなければなりません。
1台目の緊急車両が走り去っても別の緊急車両が続いて来る場合があるので,再び走り始める前に必ず,後続の緊急車両が来ていないかどうかを確認するようにしましょう。
 
<無免許運転(国際運転免許証のみによる運転)>
米国訪問中の邦人が車を運転中,警察官に停止を求められ,都道府県公安委員会発行の国際運転免許証(International Drivers Permit)を提示した。これを無効な運転免許証として無免許運転として検挙され,裁判所への出頭命令を受けた。
 
→当該警察官に国際運転免許証だけでなく日本の免許証の提示を求められたが,同邦人は日本の免許証を所持していなかった。同警察官は国際運転免許証を無効な運転免許証であるとして,同邦人を無免許運転として検挙し,裁判所へ出頭するよう指示した。
【解説】
通常,国際運転免許証は,本国の運転免許証を翻訳した補完的な証書と見なされており,それ単体では有効な運転免許証とは認められていません。
このため,日本からの一時滞在者が米国において車を運転する際には,(1)日本の運転免許証,(2)国際運転免許証,の両方を携行していただき,警察官から免許証の提示要請があった場合はその両方を提示して下さい(念のためパスポートの携行・提示もお勧めします)。
また,米国において交通法令に違反・検挙され法廷への出頭命令を受けた場合,出頭命令に従わなければ,再度入国の際に逮捕される等の不利益を被る恐れがありますので必ず出頭するようにしてください。同法廷で正当な理由を提示すれば,処分取り消しとされるケースもあります。
 
<停車中の緊急車両の追い越し違反>
某日,ハイウェイを走行中,パトカーが違反車両を止めて路肩に停車していたので,そのパトカーの脇を漫然と追い越した。
 
→,パトカーが追いかけてきて,停車中の緊急車両の追い越し違反として取締まりを受けた。
【解説】
当館管轄5州を含むほとんどすべての州において,パトカー,救急車等の緊急車両が警告灯を点滅させて路肩(右側路側帯)に停車している場合,緊急車両のすぐ隣の車線(緊急車両の進行方向左隣)を走行して緊急車両を追い抜くことは交通違反となります。これは,職務執行中の警察官や救出中の事故の負傷者等を保護するためです。
但し,自分の車の左側車線を他の車が走行しているため左側車線に進路変更できないような場合は,車線を変更せず,そのまま速度を十分に落とし,注意しながら追い抜くことができます。
中央分離帯側の路肩に駐車している場合も同様です(この場合,緊急車両の進行方向左隣の走行を避ける)。
 他にも以下の参考例のように,各州ごとに日本とは異なる交通法規が定められていますので,法令を遵守した安全運転を心がけてください。
(参考例)日本と異なる道路交通法の規定(テネシー州の場合)
・ 雨の日は日中でもヘッドライトを点灯させなければならない。
・ 日の出後30分までと,日の入りの30分前からはヘッドライトを点灯しなければならない。
・ 一般車両は踏み切りで一時停止してはならない
・ 非常点滅灯をつけた葬儀車列の中に割り込むこと及び車列の間を横切ってはならない。
など
 

III 家庭内でのトラブル

<家庭内暴力>
某日,日本人の夫婦が自宅で夫婦喧嘩をして,夫が妻に暴力を振るった。妻が憤慨して警察に通報した。
 
→妻は被害届は出さないと言ったが,家庭内暴力容疑で夫が逮捕された。
【解説】
アメリカでは,家庭内暴力は日本と比べ大変深刻な問題となっています。警察に通報された場合は夫婦喧嘩であっても暴力を振るった事実や心理的威圧を与えるような言動があったと認められれば,逮捕される場合があります。また場合によっては,多額の弁護士費用を支払う必要が生じます。そのようなことにならないようにするため,日頃から家庭内においても言動には十分に注意を払う必要があります。
 
IV 学校関係のトラブル
<スクールバスをめぐるトラブル>
某日朝,邦人男性が高校生の娘のスクールバスの女性ドライバーに対し,前日の午後,定刻よりも早くスクールバスが学校を出発したことについて,スクールバスの乗降口に2,3歩踏み込んで注意したら,女性ドライバーが怒り出した。
   
→邦人男性がスクールバスの乗降口に立ちはだかり,女性ドライバーに対して暴力を振るったと当該女性ドライバーが警察に通報し,小暴力容疑で邦人男性が警察の取調べを受けそうになった。
【解説】
スクールバスのドライバーに対して何らかの意見,要望があるような場合は,トラブルを防止するため学校のスクールバス運行責任者に連絡するようにしましょう。
 
V 学校内でのトラブル
<校内での所持品をめぐるトラブル>
某日,現地校(ミドルスクール)に通う邦人生徒(14歳)が,インターネットで見つけた爆弾製造法を興味本位で紙片にメモ書きし,学校で持ち歩いていた。
 
→退学処分になった。
 
<教師に対する暴力をめぐるトラブル>
某日,現地校(ハイスクール)に通い始めたばかりの邦人生徒(15歳)が,教師の言っていることがわからず,互いに感情的になり,生徒が教師の肩を押した。
 
 →退学処分になった。
【解説】
米国の学校では,不法行為に対する処分は厳しく,武器,薬物の所持,教職員に対する暴力行為,施設の損壊行為はもちろんのこと,上記事例のような行為も,学校の安全を脅かす行為とみなされ,退学処分となります。学校においても言動には十分注意する必要があります。
 
VI 動物をめぐるトラブル
<飼い犬をめぐるトラブル>
某日,邦人が飼っている犬を車に乗せて買い物に行き,買い物をしている間,犬を車内に放置した。
 
 →通行人が動物虐待事案として,州の保健所に通報し,事情聴取を受けた。
【解説】
飼い犬を車内に放置することにより,車内の温度が上昇し,犬が衰弱死する場合があるため,州によっては動物の車内放置が犯罪となることがあります。このようなトラブルを防止するため,動物の車内放置は行わないようにしましょう。
 

VII 公共の場所でのトラブル

<男女間の口論をめぐるトラブル>
某日未明,邦人男性と友人の邦人女性が飲酒した後,繁華街の路上で,些細なことから口論となり,女性が怒り出して,宿泊先ホテルに一人で帰ろうとしたので,男性があわてて,後を追いかけた。
 
→口論の様子を目撃した通行人が警察に通報し,男性は公共の秩序妨害違反と公務執行妨害で逮捕された(逮捕時に警察官に背後からいきなり取り押さえられたが,警察官と気づかずに抵抗したため,公務執行妨害と捉えられた)。
 
<夫婦間の口論をめぐるトラブル>
某日,日本の旅行会社の1週間のパック・ツアーで米国内の著名なテーマパークを訪れていた邦人夫妻が,テーマパーク内において些細なことから口論となった。一旦は近くにいた警備員の仲裁で仲直りしたが,同夫婦は再び口論をはじめた。そのうち,妻が怒り出してホテルに戻ろうとしたため,夫が妻の腕をつかんで止めようとした。
  
→口論の様子を見ていた警備員は,夫が妻の腕をつかんだ行為を見て,夫婦間暴力として警察に通報し,邦人男性は駆けつけた警察官に逮捕された(邦人男性は逮捕翌日に保釈されたが,裁判官から1ヶ月後に米国内で行われる裁判に出頭するよう命じられた)。
【解説】
公共の場所で口論を行ったり,正当な理由もなく大声で騒いだりすると,公共の秩序妨害違反として逮捕される場合があります。暴力行為を行っていない場合でも,粗野な言動によって公共の秩序を乱したとの容疑で逮捕される場合があるので,道路上や飲食店内その他の公衆の面前での言動には十分注意するようにしましょう。
 
<酩酊して車内で寝込んでしまった>
 
→パトロール中の警察官が,酩酊して自家用車を空き地に駐車し,車内で寝込んでいた者を公衆における酩酊罪違反で逮捕し,釈放後,裁判所における審理のため出廷を命じられた。
【解説】
  米国においては酒の上でのことあるいは酔っていたからという言い訳は通用しません。上記事例は,飲酒運転をした後,酔いが進んで,車内で寝込んでしまった事例です。飲酒運転に関してはパトロール中の警察 官も走行現認していないので,立件は不可能でしたが,酩酊して車内で寝ていた事実を現認し,公衆における酩酊罪違反として現行犯逮捕したものです。米国においては,路上,公園,空き地,ショッピングセンター敷地内等の屋外における不特定多数の人が自由に入場し,往来するような場所で飲酒し,粗野な言動を取ること,大声・奇声を発すること,高歌放吟することあるいは酩酊した態度を見せるだけでも公衆における酩酊罪違反として立件されるおそれがあります。日本では特段目くじらを立てられるような行為でなくても,米国では公衆において酩酊すること自体を規制する法律が存在し,それが実際に執行されていることに留意して下さい。
 

VIII ハロウィーン時の注意事項

ハロウィーンは大人だけでなく,子供達が楽しみにしている行事ですが,それと同時に危険と隣合わせの部分があります。ハロウィーンを安全に楽しむために下記の注意事項をご参考にしてください。
※ なお,ハロウィーンは毎年10月31日です。
 
1.子供達は夢中になる傾向があるので,転倒や交通事故に注意するよう注意を促す。また,凶器となり得る物や尖った物は持ち歩かせない。
 
2.大人と一緒でなければ,勝手に他人の家の敷地内に入らせない。また,家主が敷地内への立入りを拒む気配がある場合は,大人が同伴していても絶対立ち入らない。
 
3.家の玄関灯が消えている場合は,家主が在宅であっても敷地内に入らせない(家主がハロウィーンに参加をしないという意思表示や子供達に渡すキャンディー等が全て無くなった場合に玄関灯を消すことが多い)。
 
4.ハロウィーンの仮装(マスク)をしたまま自動車を運転しない。警察官から停止を命じられることがある。
 

IX 個人売買を仲介するウェブ・サイトをめぐるトラブル

某日,アメリカ国内において売買を仲介するウェブ・サイトを利用して,邦人が不要になった日用品を150ドルで売りたいという広告をメールで出した。後日,買い手が現われ,買い手から予想外に額面が1,000ドルのマネー・オーダーが送られてきた。そのため,メールで買い手に確認したところ,「誤って額面が1,000ドルのマネー・オーダーを送ってしまったので,差額分をパーソナル・チェックで送り返してほしい」との依頼があったので,額面850ドルのパーソナル・チェックを送った。
 
→その後,邦人の取引銀行から,1,000ドルのマネー・オーダーが現金化できなかったとの連絡があったため,詐欺に遭ったことがわかった。
【解説】
最近,アメリカに住む邦人の方でもウェブ・サイトを利用して,不用品を売買する方が増えているようです。取引相手とメールのみでのやりとりが行われる場合,取引相手には匿名性が伴うことになり,場合によっては詐欺の被害に遭うことになります。特に品物代が無料であり,買い手に対して送料の負担のみを求めるケースは,詐欺(Scam)の手口の可能性があります。
また,見知らぬ相手に安易に自分の住所や電話番号を教えることは安全面でのリスクを負うことになります。売買を仲介するウェブ・サイトを利用する際はこれらの点に十分ご配慮するようお勧めします。
 

X 元夫婦間でのトラブル

<生命に関わる脅迫罪>
某日,アメリカ人の元夫からしつこく携帯電話に電話がかかってきてうんざりしていた日本人女性が,たまたま飲酒中に元夫からの新しい着信履歴が何件もあるのを見てかっとなり,元夫に電話して「殺してやる」と粗野な言葉を使ってしまった(深酔いしていたため,邦人女性はその際,自分がどのような言葉を使ったか詳しく覚えていない)。
  
 →元夫が警察に被害届を出し,翌日,邦人女性は生命に関わる脅迫罪の容疑で警察に逮捕された。
【解説】
アメリカでは,州によっても違いますが,相手の身体や生命に危害を与える言動を行った場合や相手の家族,友人に対し危害を加えるといった言動を行った場合は,生命に関わる脅迫罪として逮捕される場合があります。
飲酒時においても責任ある行動を取るよう努めるとともに,知人や近親者に対する言動についても十分注意するようにしましょう。