海外安全対策情報(2015年7月~9月)

1 社会情勢
 期間中,テネシー州チャタヌーガ市における軍施設に対する連続襲撃事件や,ルイジアナ州ラファイエット市内の映画館における銃乱射事件など社会不安を増大させる事件が相次いで発生しました。
 
2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)ナッシュビル州都圏警察が発表した7月~9月期の犯罪統計によると,殺人,強盗,強姦など凶悪犯罪と住居侵入や窃盗など財産犯罪をあわせた主要犯罪認知件数は9,341件であり,昨年同時期と比較して8.0%増加しています。同期間中,すべての犯罪が増加傾向を示しており,特に殺人が24件(昨年同期比118.2%増加)している他,自動車盗が403件(昨年同期比30.4%増加)発生しています。主な罪種別の内訳(昨年同時期認知件数・前年からの増減率)は以下のとおりです。
   殺人          24件(11件・118.2%増加)
   強姦          186件(155件・20.0%増加)
   強盗          567件(453件・25.2%増加)
   侵入盗(一般住宅対象) 1,391件(1,297件・7.2%増加)
   自動車盗        403件(309件・30.4%増加)
(2)ケンタッキー州レキシントン市警察が発表した7月~9月期の犯罪統計によると殺人, 強姦,強盗,侵入盗,自動車盗の主要犯罪5罪種の認知件数は1094件であり,前年同期(1098件)と比較してほぼ横ばいです。罪種別では強盗以外の各犯罪はいずれも増加傾向を示しており犯罪の被害に遭わないよう注意が必要です。罪種別の内訳(昨年同時期認知件数・前年からの増減率)は以下のとおりです。 
   殺人        5件(2件・150%増加)
   強姦       34件(27件・25.9%増加)
   強盗       131件(178件・26.4%減少)
   侵入盗      639件(624件・2.4%増加)
   自動車盗     285件(267件・6.7%増加)
(3)ルイジアナ州ニューオリンズ警察が発表した2015年上半期の犯罪統計によると,殺人や強盗,強姦など凶悪犯罪と住居侵入や窃盗など財産犯罪をあわせた犯罪の認知件数は8,956件であり,昨年同期の認知件数9,770件と比較して8.3%減少していますが,殺人や強盗などの凶悪犯罪は高い発生件数を維持しており,引き続き注意が必要です。主な罪種別の内訳(前年同期の認知件数・前年からの増減率)は以下のとおりです。
   殺人        92件(71件・29.6%増加)
   強姦       152件(98件・38.6%増加)
   強盗      622件(713件・12.8%減少)
   侵入盗   1,362件(1,636件・16.8%減少)
   自動車盗  1,169件(1,209件・3.3%減少)
 
3 邦人被害事案
 期間中,邦人被害事案に関する報告はありません。
 
4 管轄5州における特異事案
(1)7月1日夜,テネシー州メリビル市内において,有毒物質を運搬中の列車1両が脱線して炎上し有毒ガスが発生した。この影響で半径約1マイルの範囲で住民等の避難措置がとられた。災害現場でガスを吸引した警察官10名を含む52名が病院に運ばれる事態となったものの,被災者の命に別状はなかった。
(2)7月16日朝,男性1名がテネシー州チャタヌーガ市郊外のショッピングモール内にある軍リクルートセンターと同センターから7マイル離れた場所にある海軍関係施設を連続して銃で襲撃した。男は海軍施設において海兵と銃撃戦を行い兵士5名を殺害した後,その場で射殺された。本件につき,FBIは,犯人と国際テロ組織との関係は見出せない旨発表した。
(3)7月23日夜,ルイジアナ州ラファイエット市内の映画館内において,男性1名が銃を乱射した。その銃撃により観客2名が死亡,9名が重軽傷を負った。犯行後,犯人は映画館内でけん銃自殺をしており犯行動機は不明のままである。
(4)8月1日夜,テネシー州メンフィス市南東部の住宅街において,麻薬取引の現場で捜査中の警察官が犯人と格闘となり,けん銃で複数回撃たれて死亡した。指名手配をされた犯人は後日警察署に出頭した。
(5)8月5日午後,テネシー州ナッシュビル市アンティオークにある映画館において,手斧と銃器で武装した男性1名が上映中の館内で観客に催涙スプレーを噴霧して斧で切りつけるなどして1名を負傷させた後,駆けつけた警察官と銃撃を交わした。犯人は裏口から逃走を図ったところで警察の特殊部隊に射殺された。後刻,犯人の所持していたけん銃は空気銃と判明した。
(6)8月26日夕,ルイジアナ州南西部に位置する町サンセットにおいて,知人の女性3名を刃物で刺した(うち女性1名は死亡)男性が,現場に駆けつけた警察官1名からけん銃を奪い,警察官を射殺した後,近所の食料品店に立てこもった。警察が催涙ガスを用いて店内に突入し犯人を制圧逮捕した。
(7)9月14日未明,ケンタッキー州西部の都市間高速道(インターステイツ)24号線上で交通検問を突破した不審車両をパトカーが追跡中,同車両から後方に向け発砲があり,パトカーを運転していた警察官が被弾して絶命した。犯人はその後も数時間にわたって逃走し,最終的には警察官に射殺された。
 
5 テロ関連情報
(1)7月23日当地報道は「米連邦捜査局(FBI)長官は,イスラム過激派組織ISIL(イラク・レバントのイスラム国)が社会に不満を持つ米国人を煽動し,米国内で殺人を行わせようとしており,アルカイダによる国外での攻撃よりも大きなテロの脅威となっていると指摘した」旨報じています。
(2)8月11日,シリアに渡航しISILに支援提供を企てていたミシシッピ州在住の男女が同州コロンバス市の地方空港で航空機に搭乗する直前逮捕されました。FBIは全米50州で同種事案の捜査を進めていることを明らかにしています。
(3)9月11日,ISILがその広報誌において,世界中のイスラム教徒に対してテロ実行を呼びかけ,その中でボスニア,マレーシア,インドネシア所在の日本外交団使節も名指しで攻撃を行うことが呼びかけました。これに対して我が国外務大臣からは,名指しされた3つの公館のみならず全在外公館に対して注意喚起があり,更なる警備強化を指示がありました。
(4)9月13日,国際テロ組織アルカイダのアイマン・ザワヒリ指導者がインターネット上に,米国や欧州に住む若いイスラム教徒に対して自国でのテロ攻撃を実行するよう呼びかける音声メッセージを出しました。
(5)上記(2)の他には当館管轄におけるテロ関連情報には接しませんでしたが,海外で生活される方にあっては,テロ事件に巻き込まれることのないよう,平素から滞在国内外のテロ情勢に関心を持っていただきますようお願いします。
 
6 誘拐・脅迫事件発生状況
  特異な事案に関する情報には接していません。
 
7 日本企業の安全に関わる諸問題
  関連情報に接していません。