在ナッシュビル総領事館からのお知らせ(窃盗事件に対する注意喚起)

平成22年11月22日


1.昨年の犯罪統計を見ると、全米において窃盗事件は15秒に1件発生しております。また、感謝祭シーズンになると窃盗事件が増加する傾向が見られますが、現在、米国中南部においても家屋対象侵入窃盗、車上狙い及び自動車盗が漸増傾向にあり、防犯上の注意を要する都市・地域が見られます。

2.家屋対象侵入窃盗に関しては、通常、夜間に発生していると考えがちですが、多くの事件は、家人の外出が多い昼間帯に発生しています。また、殆どの犯行は、手当たり次第に敢行されているのではなく、侵入が容易であるか等を見極める下見等の犯行準備行為を伴っています。

3.有効な防犯対策としては、まずご自身の家屋が犯行の対象となり難い条件を整えること及び容易に侵入されない措置を取ることです。具体策としては、

(1) 警備会社に警備委託して、警報装置を設置すると同時に、警備委託中であることを示す立札を家屋敷地の目立つ所に設置する。
(2) 外出時は、室内灯、テレビ、ラジオを点けたままにして置き、家人在宅を装う。
(3) 旅行等の長期不在時は、郵便物、新聞、荷物等が玄関先に滞留状態にならない様に、配送一時停止措置を講じる。
(4) 家屋敷地の樹木、生垣の剪定を怠らず、周囲からの視認性を常時良好に保ち、犯人の下見行為、侵入行為を容易にする死角を作らない。
(5) 各ドアの鍵設置部周囲はなるべく広く金属板を貼る等して、鍵の破壊行為を困難にするとともに、一部のドアは、ドアジャムと呼ばれる棒状の道具で固定する。各窓にも、金属・木製の格子棒を設置する。
(6) ブラインドカーテンは、羽根を上向きに閉める。そうすることによって、家屋外から室内を覗き込んだ場合、室内天井しか見えず、室内の物品が見えない。窃取対象物の視認性を遮断する効果が期待できる。

4.車上ねらいに関しては、都市部において頻発傾向が見られ、家屋敷地駐車場に限らず、ショッピングモールの大型駐車場においても多発しています。

5.有効な防犯対策は、駐車時にドアを施錠することは言うまでも無いことですが、車外から目視可能な箇所にバッグ等を放置しないことです。車外から金銭価値の有りそうな物が見えれば、車上狙いの犯意を生じさせる原因となります。

6.GPSはダッシュボードや、フロントガラスに装着したままにしがちですが、これらを対象にした車上狙いも多発しているので、駐車時は取り外して、車外から目視不可能な箇所に収納することが勧められます。

7.また、GPSの帰路探査機能を利用するため自宅住所を入力している方がいますが、GPSの窃取被害後、自宅に対しても侵入窃盗被害に遭っている被害者の例も報告されており、この種手口の犯行を避けるため、あるいは犯人に自宅を知られないためにも、GPSの自宅住所を削除しておくのも防犯対策の一つです。

8.自動車盗に対しては、車両から離れる時にイグニッションキーを必ず抜いて、所携しておく事は言うまでもないことです。しかし、この時期、暖機運転のためエンジンをかけたまま駐車して、車両から離れる例が多く見られるようになります。また、ガソリンスタンドやコンビニエンスストアでの短時間の買物中にも、エンジンをかけたまま車両から離れる人も多く見られます。

9.ところが、この様な少しの間隙をついて敢行される自動車盗が多発しています。ナッシュビルが位置するテネシー州デイビッドソン郡の例を見ると、昨年の同郡の自動車盗総認知件数は、1716件です。この内、イグニッションキー付で窃取された車両の件数は505件を計上しています。約30%がキー付で窃取被害に遭っていることがわかります。

10.感謝祭シーズンさらには年末年始にかけて、旅行等で自宅を長期不在にされる方、外出の機会等も増える方も多いと思われますが、窃盗事件だけでなく、各種犯罪も多発する時期でもあることを念頭に置かれ、防犯対策を怠らず、犯罪被害に遭わないように心掛けて下さい。