安全対策情報(2024年4月~6月)

令和6年7月29日
1 社会・治安情勢
(1)一般犯罪
○ 捜査機関等をかたる被疑者による詐欺事件の発生について
5月中旬、当地在留邦人の携帯電話に金融機関職員を名乗る者から電話があり、「あなたの口座が犯罪に利用されている」と告げられ、その後相手方が警察官や検察官を名乗る者に代わり、「あなたの口座が国際的詐欺グループの犯行に使われており、グループの一員としてあなた自身にも逮捕状が出ている。逮捕されたくなければ、直ちに指定する口座に保釈金を支払え」と告げられた事案です。
 当該在留邦人の方は、当初不審に思ったものの、その後数週間にわたり何度も被疑者グループから電話があり、電話機に表示される番号が実在する警察署と同一で、警察バッジと思われる写真や捜査資料等を送付されたことなどから、次第に相手の言動を信じるようになり、最終的に犯人が指定する外国の口座に数万ドルをWiseで送金してしまったとのことです。
 この犯行の過程において、「知人や家族に相談したら、その者達も捜査妨害の可能性があるので拘束する」との脅迫めいた言動があったり、同人の行動を監視するため、数日間にわたってZOOM等をカメラオンの状態のまま接続させることを要求したりと、心身ともに疲弊させ正常な判断ができなくなることを狙った、非常に悪質で巧妙な手口です。米国の他の地域でも同様の犯罪が報告されています。
 
【被害防止策】
 警察官が、電話で「逮捕されたくなければ罰金を支払え」と金銭を要求することはありません。また、実在する警察署の電話番号を偽装した詐欺の手口も以前から度々使われており、過信は禁物です。
 本事案のように、身に覚えのない犯罪への関与を示唆されたり、逮捕の代わりに現金を要求されたりした場合は、まず詐欺の可能性を疑ってください。相手の要求どおり金銭を振り込むことなく、まずは落ち着いて最寄りの警察署に相談する等の対応が必要です。
また、当館警備班にもぜひご相談ください。
 
(2)自然災害
  7月初旬、非常に大型のハリケーンBERYLがメキシコ湾を北上し、テキサス州及びルイジアナ州を通過、多くの死傷者、大規模な停電、交通途絶等、甚大な被害をもたらしました。

 今後もハリケーンの発生が予想されますので、ハリケーンの進路上にお住まいの方や滞在を予定されている方は、接近する前に停電や断水等に備えた事前の準備を怠らないようにしてください。
テレビ、ラジオのニュース、インターネット及び各州の緊急事態庁などのウェブサイト等から常に最新の気象情報の入手し、十分な注意を払ってください。
万一、ハリケーン等が接近してきた場合には警報等に従い安全確保に努めるとともに、必要に応じて自身の被害等の状況について日本の留守家族及び当館に連絡してください。
《参考ウェブサイト》
 世界気象機関:( http://severe.worldweather.wmo.int/ )
 ウェザー・チャンネル:( http://www.weather.com/ )
 米国ナショナル・ハリケーン・センター:( http://www.nhc.noaa.gov/ ) 
 
2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
 管轄主要都市の犯罪種別ごとの発生状況は以下のとおりです(括弧内は前年同期)。
(1)テネシー州ナッシュビル市(4~6月期)
(出典:Metropolitan Police Department of Nashville and Davidson Country)
 殺人     :26件(17件)
 強制性交等:180件(147件)
 強盗     :324件(360件)
 侵入盗   :534件(384件)
 自動車盗 :1,134件(1,276件)
(2)ケンタッキー州レキシントン市(4~6月期)
(出典:Lexington-Fayette Urban County Government)
 殺人     :5件(7件)
 強制性交等:43件(36件)
 強盗     :81件(53件)
 侵入盗   :231件(343件)
 自動車盗 :232件(304件)
 
3 邦人被害事案
 観光地(当館管轄内)にて旅行中、ホテルのカウンター付近にてカード等在中の財布の置引き被害が発生しました。犯罪被害に遭わないように、貴重品はいつも手から離さず、やむを得ず手を離しても体に触れるように置くなど、警戒心を保持するように心がけてください。特に海外旅行に慣れている方も油断は禁物です
 
4 テロ・爆弾事件発生状況
  管轄内ではテロ事案等の発生はありませんでした。
  他方、当館でも5月に領事メール等で注意喚起を実施したとおり、米国連邦捜査局(FBI)及び国土安全保障省(DHS)が、6月の「プライド月間」に全米各地で行われたLGBTQ+関連イベント等に対して、外国テロ組織やそれら組織に触発された支持者らによるテロの標的になる可能性が高まっている旨の警告を発していた経緯がありました。
テロ事件の被害に遭わないよう、テロの標的になりやすい場所(空港、駅及び集会・イベント会場等、人が多く集まる場所など)を訪れる際は、周囲の状況に気を配り、不審な状況を察知した場合は、速やかにその場を離れるなどして安全確保に努めてください。