国際交流基金巡回展 「超絶技巧の日本」展開催のご案内

令和5年7月18日
maryville
 7月26日~8月11日まで、テネシー州メリビル市のメリビル大学クレイトン・アーツ・センター内デンソーギャラリーにて、国際交流基金巡回展「超絶技巧の日本」展を開催します。
 この展覧会は、並外れた手法や技術を意味する「超絶技巧」という名称を冠するに相応しい作品を、幅広いジャンルから横断的に集めて一堂に展示するものです。日本では古来より、絵画や彫刻(美術)と陶磁器(工芸)との間に階層や制度的垣根が存在していたわけではなく、両者ともに時代に寄り添う形で共存し、優れた作品を後世に伝えてきました。現代においても美術と工芸は等しく芸術として認識される一方、近年は芸術(ハイ・アート)とサブ・カルチャー(大衆芸術 ロー・アート)との間の境目も曖昧としたものとなり、ハイブリッドな文化が世界の着目を集めてやみません。
 当時の最新技術を用いた作品によって海外を驚かせた明治期の工芸を出発点として、そのエッセンスを受け継ぐ今日の超絶技巧作品の数々を展示します。巧みな表現、細部に至るまでの完成度の高さに重きをおく作品の展示を通して、個々の作品の驚嘆すべきテクニックや、それさえも凌駕する表現世界を紹介するとともに、職人気質を尊び、制作過程に徹底的にこだわってきた日本の創作文化の一端を明らかにしようとする試みです。
 
【開催概要】  
 
巡回会期7月26日~8月11日、月曜~金曜 9:00~17:00(東部時間)
 
会場メリビル大学クレイトン・アーツ・センター内デンソーギャラリー
住所:502 East Lamar Alexander Parkway, Maryville, TN 37804-5907
 
参加作家・出展物:荒木智(ジオラマ)、梅田宏明(パフォーマンス映像)、北村武資(工芸・織物)、鈴木康弘(インスタレーション)、西脇直毅(絵画)、深堀隆介(立体)、本城直季(写真)、三島喜美代(立体造形)、山口晃(絵画)、山本一洋(陶器)、明治工芸(七宝、薩摩、蒔絵、自在、刺繍)、食品サンプル、フィギュア
 
主催在ナッシュビル日本国総領事館、アジアン・カルチャーセンターオブテネシー、クレイトン・アーツ・センター、国際交流基金
 
監修山下裕二(明治学院大学教授)

 来場は無料です。奮ってご来場ください。

<国際交流基金海外巡回展とは>
国際交流基金では、日本の美術や文化を海外へ紹介する活動の一環として、海外に巡回する巡回展事業を継続的に行っています。巡回展は、陶芸・工芸・日本人形など日本の伝統美を紹介する展覧会から、現代美術・写真・建築・デザインなど現代の日本を伝える展覧会まで多岐にわたっており、約20の展覧会が常時巡回に供され、年間100以上の美術館、文化機関などで開催されています。これらの巡回展は、日本の在外公館及び国際交流基金海外事務所が各地の美術館、文化機関とともに共催事業として実施しています。